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これは、霊感など無いはずの私が唯一体験した夏のお話です

更新日:2021-10-06 09:35:07
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これは、霊感など無いはずの私が唯一体験した夏のお話です。
当時、私は大阪の専門学校に通っていたのですが、三重の実家から大阪まで電車で通っており、通学に片道2時間程かかっていました。
その日は学校のチーム制作で特に遅くなってしまい、終電で実家の最寄り駅に着いた時には既に日付が変わっていました。
しかも、この時間では駅前にある個人営業の自転車置き場が閉まっており、普段は預けてある自転車で帰宅する道を徒歩で帰っていました。
田舎なので電柱の外灯がぽつ、ぽつとあるだけの道なのですが、子供の頃から慣れ親しんだ道なのでさほど怖くはありません。

ふと、家まであと半分という所で少し先の外灯の下に人が居るのに気付きました。
夏場だったのもあり、寝苦しくてこんな時間に散歩でもしてるのかな、と一瞬思ったのですが
よく見ると子供が年老いたおじいさんの手を引いて歩いており、
本能的に「これは見ないほうが良いものだ」と思い、気付かないふりをしてそのまま進みました。
すれ違う辺りでおじいさんのほうが何か挨拶したように思いましたが、それも無視して家まで走りました。

翌朝、祖母が朝から慌ただしいので話を聞くと○○の○○さんが亡くなった、と言いました。
私は面識がなかったのですが、その○○さんの家は、私が昨晩子供とおじいさんを見た辺りでした。
あの時、おじいさんは何を言ってきたのか、それに答えていたらどうなっていたのか、と今でもたまに思い返します。
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