結論:旧道になったことで「人気のない場所」になった
旧善波トンネルは、もとから人里離れた山奥にあったわけではありません。善波峠は伊勢原と秦野を結ぶ交通の要所で、国道246号として指定された1956年以降は、幹線の一部でした。
1960年代に直線的な新しいトンネルが整備されると、車の流れは新善波トンネルに移りました。旧トンネルは、すぐ隣に大きな道路が走っているのに、ほとんど誰も通らない場所になったのです。
編集部が公開情報を確認した限り、少年の霊の噂を裏付ける事故や事件の公的な記録は見つかりませんでした。噂は噂として扱いつつ、なぜこの場所に集まるのかを見ていきます。
旧道トンネルという構造
全長は約158メートルと、トンネルとしては短い部類に入ります。1928年の開通ですから、当時の幅員は現在の車の大きさを想定していません。すれ違いに余裕がなく、内部は昼でも暗く感じられます。
旧道トンネルの多くが心霊スポットとして語られるのには共通点があります。新道ができて交通量が激減する。照明が落とされるか、暗いまま残される。壁面が湿り、水が染みる。こうした条件が重なると、同じ場所が昼と夜でまったく違う表情を見せます。トンネルに噂が集まる理由は、なぜトンネルに心霊の噂が集まるのかで整理しています。
語られている噂
最もよく知られるのは、少年の霊にまつわる話です。トンネル内で子どもの姿を見た、同乗者が誰もいない後部座席に何かを感じた、といった型で語られます。
いずれも、全国の旧道トンネルで語られる定型に収まります。トンネル内は音が反響し、風が抜けるとき独特の声のような音が生まれます。また、短いトンネルは出口の明かりが見えているため、そこを横切る人影や動物が実際より大きく見えることもあります。
噂を否定したいわけではありません。ただ、体験談が重なる理由には、場所の構造で説明できる部分が大きいことは知っておく価値があります。
訪れる場合の注意
旧善波トンネルは、周辺が住宅や農地に近く、夜間の騒音や路上駐車は住民の迷惑になります。旧道は幅が狭く、車の転回も難しい場所です。
隣を走る国道246号は交通量が非常に多く、夜間に旧道へ出入りする車が事故の原因になることもあります。噂を確かめに行くより、昼間に歴史ある旧道として眺めるほうが、はるかに安全です。