秋彼岸特集

彼岸花を持ち帰ってはいけない
――絶対にやってはいけない5つの禁忌

お盆が過ぎ、赤い花があぜ道を染めるころ。
この世とあの世の距離が、もう一度縮まる。

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彼岸、ふたたび開く扉

お盆でご先祖様を見送ってから、まだひと月と経たないうちに訪れる秋彼岸。9月の彼岸の中日(秋分の日)を挟む7日間は、お盆と同じく「あの世とこの世の距離が最も縮まる」と語り継がれてきた期間です。

違うのは、お盆のように迎え火で招くのではなく、こちらから「渡る」期間だということ。そして道端という道端に、血のように赤い花――彼岸花が、まるで示し合わせたように一斉に咲き始めます。昔から人々は、この花が咲く場所には、うかつに触れてはいけないものが眠っていると信じてきました。

秋彼岸、絶対にやってはいけない5つの禁忌

禁忌01夜間の墓参り

彼岸は、あの世との境界がもっとも薄くなる期間。中でも日没後は「陰の気」が最も強まる時間帯とされ、暗くなってからの墓参りは古くから戒められてきました。目的を持たずさまよう霊に「憑いてこられる」という言い伝えは全国各地に残っています。

実際的な理由もあります。足場の悪い霊園は転倒事故が起こりやすく、街灯の少ない墓地は防犯上も危険です。墓参りは必ず日中、できれば午前中に済ませるのが古来からの作法であり、いまも通用する安全策でもあります。

禁忌02彼岸花(曼珠沙華)を持ち帰る

「彼岸花を家に持ち帰ると火事になる」――この言い伝えを聞いたことがある人は多いはずです。単なる迷信ではありません。彼岸花の球根にはリコリンなどのアルカロイド系の毒が含まれており、誤って口にすれば嘔吐や痙攣を引き起こす、れっきとした有毒植物です。

詳しくは後述しますが、彼岸花はもともと土葬の墓や田のあぜ道に「意図的に」植えられてきた花。持ち帰るという行為は、単に不吉なだけでなく、毒を家に持ち込む行為そのものだったのです。

禁忌03お供え物を粗末に扱う

お供え物は、先祖への感謝を形にしたもの。彼岸の期間中に供えたおはぎや果物を出しっぱなしにして腐らせたり、食べ散らかしたまま放置したりすることは「先祖を軽んじた」として祟りを招くと語られてきました。

衛生的にも、腐敗した供物は虫や獣を呼び寄せ、墓地・仏壇まわりを荒らす原因になります。供えたら早めに下げて、感謝とともに家族でいただくのが正しい作法です。

禁忌04彼岸の時期に水辺へ近づく

彼岸の頃は季節の変わり目で水温が急変し、川岸や海辺の地盤も緩みやすい時期。実際に水難事故が増える統計もあります。民俗的には「三途の川が近づく時期に水辺に立つと、霊に引かれる」という、お盆とよく似た戒めが語り継がれてきました。

お彼岸の墓参りの帰り道、川沿いや池のそばを不用意に歩かないようにという先人の知恵が、いつしか怪異譚として定着したとも考えられます。

禁忌05彼岸の期間中に祝い事を行う

彼岸は仏事の期間であり、結婚式や新築祝いなどの慶事と重ねることは、地域によっては強く忌避されます。「先祖を偲ぶべき時期に浮かれ事を行うと、不幸が重なる」という言い伝えも各地に残っています。

もっとも、これは絶対的な決まりではなく地域差の大きい風習です。気になる場合は、彼岸の中日(秋分の日)そのものを避けて日取りを組む家庭も少なくありません。

彼岸花(曼珠沙華)に隠された都市伝説と毒

絶対にやってはいけないこと

彼岸と心霊現象

編集部より

本記事で紹介した禁忌の多くは、科学的根拠のある事故防止の知恵と、口伝えに残る民間伝承が入り混じったものです。彼岸花の毒性については史実であり、球根や汁液に触れた手で目や口に触れないなど、基本的な注意は忘れないでください。

心霊的な言い伝えを信じるか信じないかは読者の皆様の判断にお任せしますが、暗い墓地や水辺への夜間の立ち入りは、怪異以前に純粋な事故のリスクがあります。すべて自己責任のうえで、ご先祖様への敬意を忘れずにお過ごしください。

赤い花が道を染める季節。あなたの近くにも、いつの間にか、あの花が咲いていませんか。

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