四国の水を一手に担う
早明浦ダムは吉野川水系に築かれた多目的ダムで、洪水調節と利水の両方を担っています。ここに貯えられた水は四国4県に配分され、生活用水と農業用水の基盤になっています。
そのため夏場に少雨が続くと、貯水率が全国ニュースで報じられます。「早明浦ダムの貯水率」という言葉に見覚えがある人は多いでしょう。四国の水事情が、このダム一つに強く依存していることの表れです。
湖底に沈んだ村
ダムの建設にあたっては、集落が水没しました。大川村の中心部もその一つで、住民は移転を余儀なくされます。人口の激減により、大川村は離島を除いて日本で最も人口の少ない自治体として知られるようになりました。
渇水が極端に進んだ年には、湖底から旧村役場の跡が姿を現します。水位が下がるほどはっきりと見え、報道で取り上げられることもあります。
この光景こそ、早明浦ダムが心霊スポットとして語られる最大の理由です。水の下に町があるという事実は、それだけで強い想像を呼びます。ただしこれは事故の跡ではなく、ダム建設のために移転した人々の暮らしの跡です。
訪れる際に
ダム堤体周辺には展望できる場所があり、湖の規模を実感できます。旧役場跡が見えるかどうかは、その年の水位次第です。
ダム湖の水際は危険です。水位は放流や降雨によって短時間で変化し、斜面は滑ります。柵の外へ出る行為は避けてください。
周辺は山間の集落です。深夜の騒音や無断での私有地立ち入りは慎んでください。