「牛首」という地名
牛首という地名は北陸から中部にかけて各地に見られ、その多くは牛の頭に似た地形や、牛に関わる古い伝承に由来します。怪談では「生贄」「牛の首」といった不吉な解釈で語られがちですが、地名としてはごく一般的な由来のものです。
なお「牛の首」という題名の、内容を語ると災いが起きるとされる怪談が別に存在し、これと混同されて語られることもあります。両者に直接の関係はありません。
地蔵にまつわる噂
牛首トンネルで最もよく語られるのが、坑口付近の地蔵に関する話です。「地蔵の数が数えるたびに変わる」「地蔵に触れると連れて行かれる」といった内容が代表的で、肝試しの定番の型でもあります。
編集部の見解として、旧道沿いの地蔵や石仏は本来、峠越えの安全を祈り、この道で亡くなった人を供養するために置かれたものです。数を数えて回る、触れて確かめるといった行為は、その趣旨とは正反対の振る舞いになります。
本当の危険は旧道そのもの
取材で確認した限り、この場所で最も現実的なリスクは心霊現象ではありません。舗装の陥没、落石、倒木、そしてガードレールのない路肩です。夜間は街灯が一切なく、携帯電話の電波も安定しません。
つまり事故が起きても救助を呼べない可能性があります。北陸は積雪期が長く、冬季は接近すること自体が無謀です。「最恐」という評判が指しているのは、実はこの環境条件だと編集部は考えています。
訪れる場合
通行止めの標識やゲートがある区間には絶対に進入しないでください。管理者が危険と判断して閉鎖している道です。
どうしても訪れるなら日中、複数人で、車両の底を擦らない車種で。地蔵には手を合わせるだけにし、ゴミは必ず持ち帰ってください。