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大分県大分市には無人島にあるキャンプ場での事です

更新日:2021-07-19 09:44:30
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大分県大分市には無人島があります。高島というその島にはキャンプ場があり夏の間だけ開かれています。そこは海に面し三方を森に囲まれ、野生化したリスがいたり檳榔樹があったりする不便ですが自然の中にある綺麗な島です。夜には消灯するので真っ暗になりスマホや懐中電灯が必需品です。夜にトイレに行こうと思ってバンガローを出ると十歳ぐらいの女の子がいました。他のバンガローにいる家族連れの子供かと思い、迷子になったの?と私が聞くと首を振るのでお父さんやお母さんは?と聞くと「死んだ。」ひょっとしてDVや虐待ではと思いその子の目線に合わせてしゃがむと奇妙なことに気がつきました。汐の匂いがするのです。浴衣のような生地で作ったズボンと上着でドラマで見る戦争中のような服を着ていたのです。「お姉さん、私お家に帰りたいの。この島から出して?」これは本格的に犯罪っぽい、と慌てた私は「わかった!今警察に連絡するね!」というと「いやあー!!警察はいやあー!!」と何十人もの叫び声が響いてとっさに耳を覆いました。恐る恐る振り返って見ると誰もいませんでした。帰りの渡し船の中で聞いたのは戦後、あの島には警察により戦災孤児が集められた時期があったそうです。しかし酷い扱いに耐えかねた子供達が脱走を試みたり、最後は放火まで起きてついには廃止になったそうです。この島には墓地は無いそうです。しかし海を泳いで渡ろうとした多くの子供が亡くなった筈だからとお盆になるとお経をあげに来る人達が何人も居るそうです。自分は生き残ったから行かねばならない、と言って。
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